2013年3月18日月曜日

ひたちなか海浜鉄道 延伸計画について考察

茨城空港とは直接関係がないのですが、茨城県の交通機関であるひたちなか海浜鉄道について考察したいと思います。

茨城県北東部にあるひたちなか市で鉄道事業を行っているひたちなか海浜鉄道に延伸計画が持ち上がっています。ひたちなか海浜鉄道はJR勝田駅から旧那珂湊市の中心である那珂湊駅を経て、海水浴場として有名な阿字ヶ浦駅へと向かう列車です。利用者からは終点の阿字ヶ浦駅から北に位置する観光地、ひたち海浜公園への延伸を求める声が以前からあったのですが、なかなか話しが進展しませんでした。
今回、海浜鉄道の大株主であるひたちなか市が観光事業の見直しで海浜鉄道に注目。海浜公園への延伸の可能性について調査を開始することになりました。
まだ調査段階で、実際には延伸先の用地確保や鉄道施設の敷設など多額の費用がかかる厳しい状況ではありますが、海浜公園の観光客の一部を取り込めれば事業の安定性に大きく貢献するはずで地元では期待が高まっています。

延伸を求める意見では主に商業施設が隣接する海浜公園西口付近や、プレジャーゾーンのある中央ゲート、南口付近での駅設置が有力なようです。しかし、これについては個人的に異論があります。
西口については商業地への利用者が期待できる反面。用地確保が難しく、海浜鉄道のもう1つの大株主である茨城交通も勝田駅からバスを運行していて競合してしまう点があります。市街地を直線で走る茨城交通のバスに対して、那珂湊を大きく回る海浜鉄道は時間・運賃の面で圧倒的に不利で、採算をとるのは難しいと思われます。
南口・中央ゲートについては南側に用地があるため駅設置は西口より容易です。しかし、これから先のことを考えるとこれ以上の延伸が考えにくく、発展性に乏しい地区です。また、ここにも茨城交通の停留所があるため、競合が避けられないのもマイナスです。

個人的にはあまり注目を集めませんが、海浜口への延伸が望ましいと思っています。海浜口は海浜公園のなかでは地味な砂丘エリアにあり、駅や高速道路からも遠くて駐車場も小さいのですが、その分競合がないともいえます。また、春のネモフィラと秋のコキアという目玉会場のみはらしエリアにも近いというメリットがあります。さらに今後の延伸を考えると、海浜口の北西部にかけて、まだ開園していない用地があり、そこを北上すると、小松製作所や日立建機が進出した常陸那珂港区があります。港のすべてが供用されるのはまだ先ですが、航路が増えれば工場がさらに進出してくることが予想されます。鉄道があるのとないのとでは工場用地の売れ行きも違ってきます。この地区への駅設置には県や国の協力も得やすいのではと思います。
さらに北へ進めば東海村に入り、日本三大虚空蔵の村松虚空蔵堂村松大神宮、水戸八景・白砂青松百選の村松海岸という観光地が広がっています。観光資源に恵まれた村松地区ですが、茨城交通のバス路線がなくなって公共交通機関でのアクセスができなく、孤立した状況になっています。海浜鉄道が延伸すれば村松、海浜公園、那珂湊という常陸那珂地区の観光施設がすべて回れるようになります。財政的にひたちなか市より豊かな東海村からの出資も得られれば、経営もしやすくなるのではないでしょうか。

調査がどのように行われるかわかりませんが、地元の貴重な交通機関であるひたちなか海浜鉄道にとって実りある結果が出ればと思っています。加えて、茨城空港からも水戸駅の高速バスを経て、ひたちなか地区への交通がさらに便利になれば観光客誘引にもつながるので、ぜひ実現を果たしてもらいたいです。

ひたち海浜公園はスイセンファンタジー開催中です。



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